報道写真記者

2009年07月11日 07:02

その本は我が家の本棚、いつでも手に取れる位置にあった。
仕事をしていても、テレビを見ていても本のタイトルは目に入ってくる。
なのに、10年近く触れた事もなかった。
意味もなく本棚の一番良い位置に置かれていた。

その本は僕の友人の友人が書いた本。
なのに、10年近く触れた事もなかった。
タイトルの下に「報道写真記者」と書かれている。
カタカナで書けばフォトジャーナリスト。

僕が日本でカメラマンの仕事をしながら海外に飛びはじめた時期、僕の友人がくれた本。
ハードカバーのその本は2500円。
神奈川で幼稚園の撮影をした時にもらった。
そう、その報道写真記者も幼稚園の撮影をしていた。

その頃の僕は、まさか自分がアフガニスタン戦争、イラク戦争を取材するなどと夢にも
思っていなかった。
その本を手に取るチャンスが突然やってきた。

僕は電車に乗ったり、レストランで食事が出てくるのを待っている間に何もしないでいるのがとても苦手。昼食にでかけようと思ったとき、読むべき本が見あたらなかった。
どうしよう。と本棚を見るとその本が目に入ってきた。
こんな事は今までにも何度もあったはずなのに僕はその本に手を触れていなかった。
理由はよく分からない。
そして今日、迷うことなくその本を手に取った。

あたかも海外で一人の友人に出会う時のように、今日手に取るのが必然だったようだ。
ファミレスでランチを注文し、序章に目を向ける。
3ページ読んだ時、僕は本の世界に入ってしまった。
食べたハンバーグの味は分からず、食後のカプチーノの味が口に残ったくらい。

ランチを終え、仕事に向かわなければならない時間。
本の世界から出てくるのが大変だった。
ジャーナリストとしての人生に対して様々な迷いが噴出してきた今日この頃。
今、読むべき時だったのかもしれない。









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コメント

  1. Tateiwa | URL | H84T0CS.

    Re: 報道写真記者

    10年間前では無く、今だから想うこと、とても深いですね。
    10年前、手に取っていたら、私も出逢う事が出来なかったかも?
    私は、その10年に感謝します。

  2. kakako | URL | -

    Re: 報道写真記者

    久保田さんがアフガニスタンを10年近く追いかけ続けた写真集を拝見しましたが、アフガニスタンの子どもたちがあんなに笑顔を見せてくれていること、私は羨ましく思うくらいです。子どもたちはウソをついたりしませんから!
    二度とない「その瞬間」は、久保田さんにしか撮れないものでしょうね。きっと久保田さんが人との出会いを大切にされていらっしゃる分、そしてアフガニスタンの子どもたちを愛している分、たくさんの人に久保田さんの気持ちが伝わると思います。
    そんな今在るフォトジャーナリスト久保田さんを尊敬しています!

  3. HIRO | URL | -

    Tateiwaさん

    僕の人生不思議で溢れています。
    偶然のような必然のような。

  4. HIRO | URL | -

    kakako さん

    ありがとうございます。
    アフガニスタンという国に出会えたこと、写真を撮れたこと。
    その写真が多くの人に見てもらえたこと、とても嬉しく思います。

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