二度と会えないアフガニスタンの友

2011年08月30日 13:29

10年来の友アジーズの長女タヘラが結婚する事になった。
「hiroタヘラが結婚するから是非アフガニスタンに来てくれ」とアジースから電話が入った。

アフガニスタン大使館にビザの申請をしたが、本国に照会する必要があると言われ、何度か問い合わせたが、結局今だビザは発給されていない。
アフガニスタンに10年以上通い続けて初めての事だ。
前大使のアミンさんがいてくれたらすぐにビザを取得できただろうに。
昨年、僕の友人である常岡さんがアフガニスタンで誘拐された事で僕も危険人物の見なされてしまったようだ。

結局タヘラの結婚式には間に合わなかった。
僕が結婚式に行っても直接タヘラには会えない。
でも彼女は日本からhiroが来てくれたということを知る事ができる。
以前もそうだったが、僕が行くと女子部屋のカーテンが少しだけ開く。
僕はサヘラやタヘラが僕を見ているな~。と思いながらも気が付かないフリをする。
107-0792_IMG.jpg
紫の服を着ているのがタヘラ。

アジーズがfacebookのチャットにアクセスしてきた。
実は母親が亡くなって色々と忙しかったんだよ。と近況を報告する。
「hiroなんでタヘラの結婚式に来てくれなかったんだよ」
勿論、行くつもりだったんだけど、アフガニスタン大使館がビザを発給してくれなかったんだよ。
「hiroはもうタヘラと会えないよ」
そりゃそうでしょう。もう成人だし、結婚ちゃったから。
「違うよhiroは家族、イスラムに改宗してくれたらいつだってうちの家族と会える」
「でもね、タヘラは結婚してすぐに死んじゃったからもう会えないんだよ」
電話なら一瞬言葉がつまるところだ。
アジーズに返す言葉がなかった。
タヘラに初めてあったのは彼女が10歳の頃。僕と遊びたくても次女と三女がいるからいつも遠慮していた。
azizG.jpg
一番右がタヘラ。

学校でも成績がトップクラスでアジーズ自慢の娘だった。

アジーズがナッサルバール難民キャンプに住んでいる時も友に会うのにいくつもの許可証が必要だった。
アフガニスタン戦争から10年。
アフガニスタンはどこへ向かっている。
カルザイ大統領は近親者をどんどん殺害され、政権を存続させるのはほぼ不可能な状態。
2014年に米軍が完全撤退したら亡命せざるを得ない立場だ。
北部同盟と多国籍軍の攻撃で壊滅状態に陥ったタリバンはこの数年力を取り戻し、時期政権からタリバンを排除するのは不可能な状態。

戦争と政治の愚かさのおかげで、また一人二度と会えない人が増えてしまった。

僕がいつアフガニスタンに迷惑をかけた?
見えない難民の情報を国連に伝え、日本から何度も支援物資を運んだ。
アフガニスタンの人々を助けた事はあっても、どの勢力、どの時代のグループにも迷惑をかけた事はない。
僕が関心があるのはアフガニスタンの戦争でも政治でもなく、そこに生きている人だから。

僕は滅多に人を恨まない。
でも今回は僕にビザを出さないと決めた人物を恨む。
政権が脆くなって、ありとあらゆる人物に疑いの目をもたなければならない時期だとは思う。
ちゃんと調べようよ。僕がアフガニスタンにとって危険人物でない事を。
そして、ビザくれないなら銀行振込したビザ代返してちょ。
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