終末医療の難しさ。パート2

2011年07月21日 00:15

結婚式が終わり、奇跡的に母が元気を取り戻し、栄養摂取としてではなく人として食べ物を食べられていた時。
夜、妹が買ってきた美味しい豆腐を美登里さんに食べさせてあげようとしていた時だった。美登里さんの病室はナースステーションからガラス張りになっていていつでも容態がチェックできるようになている。
夜勤のナースが睨むようにやってきて、「もう面会時間すぎていますから帰って下さい、特例はありませんから」とかなりきつい口調で怒られてしまった。
昭和を生きてきた美登里さんは「病院に迷惑をかけちゃいけないからもう帰りなさい」と涙ぐんでいた。

実はその時が、みどりさんが物を食べられる最後のチャンスだった。

帰り際に妹が「遅くまですいませんでした」とナースステーションに声をかけると、またまたきつい口調で
「あ、面会時間8時まででした。周りの人が眠れないので時間を守って下さい」。
実は隣の患者さんのうめき声と夜中のお歌がうるさくてみどりさんが眠れないのだが。

美登里さんが他界した後、看護部の責任者の方とお話したら「特例、勿論ありますよ。貴重な機会を奪ってしまってごめんなさい」と謝って頂いた。

主治医の先生は先のない美登里さんの病状を考え、「食事制限はありませんから、本人が食べたいもの、飲みたいものを与えてあげて下さい」と言ってくれていた。

ところが、「看護士からお茶を飲むのもダメだと言われてしまった」と残念そうに言う美登里さん。
妹が「主治医の先生が大丈夫って言ってたから飲んでいいよ」と言っても看護士のいいつけを守りお茶を我慢する美登里さん。

どうも、主治医の先生、夜勤の看護士、日勤の看護士と情報がちゃんと伝達されていないようだ。

家族としては残りすくない美登里さんの時間を余計な事に気を使わせたくない。

そんな経緯を院長先生にお話した。
松本さん(みどりさん)は終末医療を考える上でうちのスタッフにもいい機会を与えてもらったと思いますので、要望があったら意見箱がありますので、そちらに書いて入れて下さい。
この時は丁寧に対応していただき、すぐに看護士の主任さんが謝りにきてくれ、言葉の問題は気をつけますので。。。と言って頂いた。

最後に豆腐を食べさせてあげられなかったのは今でも心残りだ。
つづく

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