母、終末医療。(個人的なお話)

2011年07月07日 12:52

妹から電話があった。
近所のS医院に通っていたが、「検査をしてもどこも悪い所はないです」と言われ続けていた。

それにしても食事が摂れず、衰弱して行く母を見かねて違う病院に行ったそうだ。
なんと肝臓が癌で肥大していて、肺も片方が機能しているだけだそうだ。
いつ天国に行ってもおかしくない状態だそうだ。

新しい病院のお医者さん曰く「この状態でどこも悪くないって言った医者は信じれないですね」と
僕がジャーナリストという職業についていなかったらS医院は実名、住所、電話番号まで公表しただろう。
半年以上、どこも悪くないと言い続けたS医院。
家族としては半年前に対処していれば、手遅れだったとしても違った週末医療を施す事ができたと思ってしまう。

戦場カメラマン。なんて仕事をしていると、一の死に接する事が多い。
しかも、自分自身も今回は無事帰国できないかも。
と何度も思って来た。
遠隔地で暮らす母。
一年に二度会ったとしても残り何回自分の母親に会えるだろうか?
毎回そう思っていた。
過去ブログ

帰省した時、なんとか地元の大垣祭りに連れて行く事ができた。
この時、僕たちは、ちゃんと食べれば母が復活すると思っていた。
全身を癌に蝕まれた状態でよく歩いてくれた。
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1887.jpg
チョコバナナを食べる母

医者の間違った判断を信じていた僕たちは「頑張って食べなきゃだめだよ」ばかりを言っていた。

一切贅沢をする事なく、僕が帰省すれば未だにお小遣いをくれようとする母。
僕がこんな仕事していた為に一緒に過ごす時間はとても短かった。
最高の親孝行、孫を見せて上げる事もできなかった。

医療ミスと言えるかどうが分からない医者の判断ミス。
それでも家族は許せない気持ちで一杯。
娘を殺されたリンゼイさんの家族、何の前触れもなく訪れた天災によって家族を無くした人達の悲しみがどれほどかと思う。
痛みを、悲しみを感じた人でしか分からない気持ちがある。

昨日「ウナギが食べたい」と言った母。
終末医療は簡単ではない、それぞれの仕事を一時中断しなければならない。
中断すれば、その分の収入もなく、最後の時をむかえる人達に十分な事をしてあげられなくなる。

僕は大丈夫。アフガニスタンの為に200万以上借金したくらいだ。
のこされた時間がどれほどか分からないが、借金してでもウナギ食わしちゃる。
どれだけお金がかかっても苦しみが少ない治療受けさせちゃる。

母を思うと胃が痛い。
僕が戦場に向かう時、どれほど母や家族に辛い思いをさせていたか、今初めて実感した。

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コメント

  1. 中村U子 | URL | S2hV0GyI

    Re: 母、週末医療。(個人的なお話)

    日本(に限らないかもしれませんが)の医療介護制度に怒りを禁じえません。
    ご母堂が少しでも苦痛少なく、楽しいことの多い日々を長く過ごされますように。
    お辛いでしょうが、久保田さんご自身も良い思い出となる日々を過ごされますように。
    言葉では尽くせませんが、お祈りしています。

  2. | URL | PAdImsec

    Re: 母、週末医療。(個人的なお話)

    苦しまないように、静かに過ごさせてあげたいですね。

    お母さん、相当痛かったはずです。

    兄も辛そうでした。モルヒネや痛み止めの時間管理が大変でした。

    苦しまれないように、少しでも楽しい日々を過ごされることを祈ります。

    そして、少しでもお母さんの傍にいてあげて欲しいです。

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  4. た。 | URL | -

    Re: 母、週末医療。(個人的なお話)

    高齢者の医療には、
    色々な課題があるのだろうなと、
    自身の父の時に思いましたが、

    > 医療ミスと言えるかどうが分からない医者の判断ミス。

    は、周りで見守っていた者にはやりきれないです。

    でも、悔やんでも怒っても時間は取り戻せないし
    お母様がまだ懸命に生きていらっしゃるのだから、
    どれだけ残されているかわからない日々でも、
    その一日、一日が、少しでも大切な悔いのない日々になります様に。

    お祈りしています。

    看病する側も身体が資本ですから、久保田さんご自身もくれぐれもご自愛ください。

  5. 妹 | URL | -

    Re: 母、終末医療。(個人的なお話)

    写真貰っていくよ
    楽しい写真なのに涙が出てくるよ
    がんばってたんだな~
    しんどいのに 楽しかったんだろうな~
    行き場のない気持ちはあるけれど
    母の気持ち が最優先だけど
    母は今も何も諦めてないよ
    私達もあきらめないでいようね

  6. licca | URL | -

    病院、公表すればいい。写真にうつるあんなに素敵なお母さんを「ただの医者の判断ミス」だなんて。とんでもない。。私は自分のママを看取れなかったです。後悔もやりたかった事もたくさんあったのに。久保田さん、うなぎたくさん食べてある時間をお母さんの笑顔に使ってあげてください!

  7. | |

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  8. Yoko | URL | bi94IFRw

    Re: 母、終末医療。(個人的なお話)

    私の場合、父方の祖母が診断ミス(膵臓ガンなのにただの腰痛と診断され、転院して膵臓ガンがわかったときは余命3ヶ月)、母方の祖父が診断&治療ミス(肘痛をただの関節痛と誤診され、実は膠原病だったのでステロイド注射があだになり)で、もっと長生きできるはずだったのにむなしく亡くなりました。直前まで年齢よりずっと元気だったのに。。。

    どちらも個人医院ではなく総合病院です。親族は訴えませんでした。祖母は25年前、祖父は8年前ですが、いまだに納得できず許せません。ネットで書いてやろうかと思いますが、担当医師が分からないのでできません。病院全体の問題ではないでしょうし。

    お医者さんのみなさん、変なプライドは捨てて、自分にわからないことは正直に認め、セカンドオピニオンを薦めてください!自分の家族だったら、と考えて欲しいです。

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