常岡さんの帰国、外務省の対応編パート2

2010年10月22日 23:44

常岡さんの誘拐事件に関して書くのも今回が最後だろう。
前回の日記から間があいてしまった。
この期間、色々と調べたりインタビューをしたりしたが、一番驚いたのは「あの誘拐された人ってどうなったの?」と未だに聞かれたりすること。
誘拐されたときに比べ、解放された時のニュースが少なすぎたのが原因だろう。
常岡さん解放のニュースは日本のマスコミにとって外務省に嫌われてまで流す価値のあるニュースではなかったのだろう。

僕がアフガニスタンからパキスタンに帰ってきたとき、誘拐の第一報が入った。
僕は国民の義務として?外務省とカブールの日本大使館に連絡した。
長年アフガニスタンに関わってきたので続々と情報が入ってきていた。電話代も滞在費もかかるので大使館に
「協力して一緒に情報収集しましょう」と言ったら。「もう日本に帰国してもらって良いです」と言われてしまった。
内庁の反応も同じだった。
そのくせ、言葉は悪いが、そのくせ外務省はパキスタンに滞在中の各新聞社やNHKに電話して「どんな情報でも良いから教えてください」とお願いした。
僕から出た情報がNHKや朝日新聞に伝わり、そこから外務省に伝わっていった。
まあ、外務省としてはフリージャーナリストの情報など信用できないということだろう。
しかも、誘拐された事実と誘拐されたときの状況を説明しても、タリバンとつるんでいる常岡さんは誘拐されたのではない。との見解も持ち続けられた。
今回事件で日本の大手マスコミはどれ程の誤報を流しただろうか。
タリバンの犯行はあり得ないですよ。と僕が力説してもタリバンの犯行と報道したメディアがいくつもあった。
聞いてみると、誤報でもいいんですよ!日本の政府筋からの情報であれば。と答えられた。
常岡さんが解放されて事実が判明したが、日本大使館はアフガニスタン政府から間違った情報ばかりを受け取っていたそうだ。
そして常岡さんが解放され、誘拐犯がアフガニスタン政府と関係をもつ武装勢力だと分かった後でもアフガニスタン政府は日本にタリバンの犯行だと言い張ったらしい。
解放が決まり、常岡さんがアフガニスタン政府のお迎えの車に乗ったとき、政府側の人間が武装勢力の人と久しそうに電話で話しているのを聞いたらしい。その時、「解放されるのじゃなくてまた違う所に連れて行かれる」と思ったそうだ。
日本政府が踊らされ、本来なら裏を取って取材すべき日本のメディアが誤報を流しまくったのが今回の誘拐事件だ。
幸か不幸か多くの日本人はそのことに関心を持たなかったのでメディアが責められることも、ましてや日本政府が責められる事もなかった。
アフガニスタンへの民政支援は継続されるはず。僕はアフガニスタンが大好きだが、政府中枢も腐敗している現状で5000億円ものお金が民の為に使われるとは思えない。
二国間の関係維持の為にはその方が都合が良いのかもしれない。
僕が筆無精ですぐにブログに書かなかったのが良くないが、ブログへの関心も急速に少なくなってきている。
年が明ける頃には日本人ジャーナリストが誘拐され、5ヶ月間も幽閉生活を送った事も人々の記憶から消えていくだろう。
僕個人としては今回の事件をきっかけに、改めて日本のマスコミと政府の酷さを実感してしまった。
これで良いのだろうか?このままで良いのだろうか?

久保田弘信の作品ショップ



スポンサーサイト


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://kubotahironobu.blog53.fc2.com/tb.php/316-3104f93c
    この記事へのトラックバック


    最新記事