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外出禁止令の経験

2020年04月23日 13:33

この仕事をしていると治安が悪い国や紛争中の国を訪れることもあり、外出禁止令が出されることも多々ある。
多くの日本人は「外出禁止令」など経験したことがないと思う。
僕は20年も前に外出禁止令を経験していた。

人生初の外出禁止令の経験はアフガニスタンだった。
いつの間にか夜間外出禁止令が出ていた。
そもそも、治安のことを考えると夜間に外出できる状態ではなかったので、夜間外出禁止令が出されたことさえしらなかっった。

日本にどうしても連絡しなければならなくて、夜、衛星携帯電話を持って外へ出た。
今と違ってGSMが発達していなかったし、もちろんインターネットもなかったので、連絡を取るには通話料が高くても衛星携帯電話を使うしかなかった。
IMG_0308_202004231307040f1.jpg
(当時使っていたスラヤ。この先使うことはほぼないと思う。)
衛星携帯電話は万能ではなく、屋内で使うことができない。
外に出て、衛星を見つけ、電話をしていると、警察に声をかけられた。
片言の英語で「外出禁止令が出ている、何をしてる」と言っている。
いや〜タイミング悪い。

この場合、スパイ扱いされるのが最悪のパターン。
「ずっとアフガニスタンにいて、寂しくって、彼女に電話したたんだよ〜」という。
運よく電話の相手は女性だった。
「ちょっと話してみる?」と笑顔で電話を渡す。
女性の声を聞いた警察官は頬を赤らめ、もういい!早く部屋に戻りなさい。と
アフガニスタンでは結婚前の若い男性が家族以外の女性と話す機会は稀で、若い警察官は照れてしまったと思う。
助かった〜!

部屋に戻って一息つくとノックの音が。
開けると若い警察官が立っていて、警察署まで来てくれ!と。
マジか〜まずな〜と思いつつも、従うしかないので、スラヤを持ってついて行く。

警察署と言っていたけどいわゆる交番ではなく、警察の人たちが寝泊まりしている場所だった。
ドキドキしていたけど、こんな時、ビビった顔を見せると、絶対怪しまれるから、終始、無理やり笑顔。

なんら尋問が始まるわけでもなく、というか、通訳がいないので、込み入った会話ができない。
世間話が続いた。
現状を打開したくて、「この銃すごいね〜ホコリだらけだけど使えるの〜」と
afg74.jpg
撃ったことないけど、多分使えるよ。と爆笑してくれた警察官。
一枚記念写真。
ここで空気が一変。
お茶をご馳走になり、リーダーが出てきて、世間話が続く。
afg76.jpg
なんでアフガニスタンに来ているんだ?と当然の質問が。
当時はインターネットが使えないから、翻訳もできず、知っているダリー語を単語を並べて説明
マルドメ アフガニ〜 ゼンデギ〜 フーブニース・・

アフガニスタンの人たちの生活大変、だから私、伝えたい。
多分、そんなくらいは伝わったと思う。
アッファリン(素晴らしい)と言ってくれた。

その日から毎晩のように警察官からお誘いがかかるようになってしまった。
夜、出れないし、暇だろう。買い物あるなら、危ないから連れて行ってあげるよ!とパトカーで連れて行ってもらったり。
僕が泊まっていた地域では僕が警察官と仲良しだとあっというまに噂になり、結果として身の安全が保障された。

人生初の外出禁止令は心臓が爆発するほどドキドキしたけど、結果オーライだった。

よく戦場って怖くないですか〜と聞かれる。
戦争や紛争をしている地域は危ない場所が決まっている。
それよりも、貧困などで街や国全体に治安が悪い国の方が怖い。

そして、外出禁止令が出て、緊迫感はあったけど、地元の人と触れ合うことができて楽しかったアフガニスタンより、
緊急事態宣言が出され、自粛、自粛で人と会えない、そして、敵なるウィルスがどこにいるかわからない、
そんな今の日本の方がプレッシャーが多い。

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