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新型コロナウイルス ワクチン、抗ウイルス薬への道のり

2020年04月10日 01:33

新型コロナウイルスのワクチン、治療薬の研究が世界中で猛烈なスピードで行われている。
世界規模でのパンデミックであるため、研究データが公開され、世界中の研究者でシェアされている。

僕は理系であったが、専門は物理学であったため、生物や有機化学は正直なところ苦手分野。
それでもその構造や塩基の配列がどうなっているのか興味はある。

わかったことは新型コロナウイルスがRNAウイルスであること、そしてその塩基の配列が約3万塩基でとても長いこと。
その他のことは難しすぎて、すべて理解するのはちょっと大変。

現時点で新型コロナウイルスに有効なワクチンや抗ウイルス薬はないが、その研究、製造に関してちょっと光明があるのではないかと個人的に思う。

戦争によっていくつもの新たなテクノロジーが生み出されてきた、今回は世界規模のパンデミックに対応するために
人類の、と言っても一部の科学者たちの叡智が結集しつつある。
今まで全く知らなかったが、生物学、薬学の分野でもコンピューターの存在が大きい。
新型コロナウイルスが分離され、その塩基の配列が解析されると、簡単な表現で言うとウィルズに対してどんな攻撃方法が可能なのかが研究される。

そのシミュレーションに僕が卒論で使わせてもらった東京大学の重力多体問題に特化したのコンピュータGRAPEの進化系が使われていると知ってびっくりした。
僕の卒論はビックバン以降の初期宇宙においてインフレーションがなければ、現在のような宇宙の大規模構造ができないであるという仮定の元に1万体のモデルで重力の相互作用を計算してシミュレーションモデルを作成するものだった。
重力は2点間の相互作用であるため、1万体だと10000!の計算が必要になり、時間軸とともに計算すると、計算に何十年もかかってしまう。
GRAPEは乾電池の並列接続のような理論で普通のコンピュータで計算したら何十年もかかってしまう計算を1週間くらいで終われせてくれる優れものだった。

そのGRAPEを分子動力学に応用したコンピュータがMDGRAPE-4A。
理化学研究所がMDGRAPE-4Aを使い10日間かけてSARS-CoV-2メインプロテアーゼの分子動力学シミュレーションを行った。
重力多体問題の計算に活躍したGRAPEの理論が分子動力学の分野でも活躍しているらしい。

理化学研究所のシミュレーションはその生データが公開されている。
このシミュレーションモデルをもとに多くの科学者が新型コロナウイルスのワクチン、抗ウイルス薬の研究、開発に満身していくでしょう。

マンガのように言うと、マンガで描かれるカマイタチを想像してみてください。
マイタチのめっちゃ小さいヤツ新型コロナウイルスがやってきて、人の体内に侵入する。
彼らはメインプロテアーゼというカマのようなものを持っていて、
人の細胞内のタンパク質を切断します。
その切断して破片を利用して新型コロナウイルスは自身が増殖するための構造タンパク質や酵素を作り出すのです。
人の中に入ってきて、人の材料を盗んで自らが増殖する感じ。

ウィルスの増殖を抑えるためにはそのカマを使えなくしてしまえばよい。
このシミュレーションモデルを利用して、分子のどの部分に結合させれば、カマが使えなくなるか、その研究が進みます。

ウィルスそのものに何度も実験をしてカマを使えなくするのには膨大な時間と試行錯誤が必要だが、ウィルスの構造データをもとにコンピュータでシミュレーションすることによってカマを使えなくする阻害分子を特定する方法なら時間の節約ができる。

大学を卒業しても物理学会誌が送られてきていた。
10年で物理学の進歩についていけなくなって学会誌を送付をお断りした。
僕が大学時代に研究していて、理論だけだったことが観測技術の発展によっていくつも立証されている。
物理学の世界は10年一昔ではなく、5年一昔というレヴェルで進化していた。

生物学、薬学の分野は専門外だが、GRAPEの進化系が活躍していると知って、
ワクチン、抗ウイルス薬の開発の未来が少し明るいと思えた。



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