アンフェアな戦争

2014年09月09日 06:39

戦争そのものが間違いなく悪であり、勝てば官軍。
となれば、フェアな戦争など存在しない筈。

イラク北部の街モースルは僅か一日にしてISISに占領されてしまった。
その後、ISISは進撃を繰り返し、アルビルまで30キロ弱のところまで迫って来た。
もしかしたら、アルビルさえも陥落かと思っていた矢先、米軍が空爆を開始した。

地元クルディスタンの人達はペシュメルガは強いから大丈夫だ!と繰り返す。
モースルは守る気がなかったかもしれないが、アルビルまで30キロという近郊まで進撃を許してしまったのは間違いない事実。
ところが、米軍が空爆を開始すると形勢は逆転。
ペシュメルガがモールスまで30キロ弱のポイントまでの占領地を取り返した。

ISIS側からすれば、ペシュメルガと対峙した途端、自分たちが持つ武器では届かない高所にやってきたF-18から空爆を受けてしまう。
こんな戦争に勝てる訳がない。
ISISがやってきた事は決して許せないし、偏った報道があったにせよ、アメリカ人のジャーナリスト2人の首を切って処刑したのは間違いないし、多くの一般人を殺害したのも間違いない。
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それでも、それでも前線に転がっていたISISの死体を見た時は胸が痛んだ。
ISISの思想はどうであれ、そこに身を投じて命を失った人を足蹴にはできない。

僕はISISの人と会った事がない。
自分の元に入って来る情報だけで判断している。
恐らく99%僕が認められない人達だと思う。
それでも1%自信がない。

かつてアフガニスタン戦争が起きた時。
日本のメディアは北部同盟と共に従軍取材をした。
タリバンは北部同盟と対峙した途端、米軍による空爆を浴び、敗走せざるを得なかった。
僕は97年からの付き合いがあったため、日本人で唯一(多分)タリバンの本拠地カンダハルに入った。
日本人でタリバンが良いと思っている人は殆どいないと思う。
彼等の原理主義の行き過ぎた部分があったが、僕が会ったタリバンは信頼できる連中だった。

今でこそ言えるが、タリバンに拘束され、ジャラジャラバードの基地に連れて行かれた時、正直これはいかんな〜と思った。
途中オアシスがあり、ハイラックスに乗った4人の兵士が車の中にAK47と手榴弾を置いたままお祈りに行ってしまった。
勿論、車にカギがついたまま。
パキスタンまでの道は一本道だし、運転には相当自身がある、いざとなれば銃くらい撃てる。
車を乗っ取って逃げようかどうか迷った。

別に僕を縛る事もせず、武器を置いたままお祈りに行ってしまう連中が悪い奴らだとは思えなかった。
ジャラジャラバードの基地でコマンダーに事情を話すと、写真はダメだがカブールを見せてやると言ってカブールまで連れて行ってくれた。

ISISの状況が昔のタリバンに似ていて、ちょっと考えてしまった。

アフガニスタン戦争も、イラク戦争も、今回のISISとペシュメルガの戦闘も、米軍が関わると大人と子供のケンカのごとく、圧倒的な力の差が生まれてしまう。

何故23年間もアフガニスタンが内戦をする事になったのか、何故サダム・フセイン独裁国家としての強健な力を持つ事になったのか、ISISが何故生まれてきたのか。
すべてにアメリカが関与している。
そして、それぞれの戦闘にも関与している。

メディアが伝える事と現場で起きている事には必ず温度差がある。
その温度差を少なくするのがジャーナリストの仕事だと思うのだが。。
無事帰って来れるのなら、ISISにも会いたいと思う。

久保田ショップ


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