フリージャーナリストの行方2

2014年07月30日 19:00

先日、某テレビ局のプロデューサーにシリアの報道をお願いした時、
「久保田さんがシリアの情報が重要だというのは良くわかりますが、シリアでは視聴率が取れないから、うちの番組では放送できないです」と断られた。

その後、同じテレビ局から電話があって、「久保田さん、誰かウクライナに行っている人知りませんか?」と聞かれた。
内戦が続き、毎日多くの人が殺されているシリアは報道価値が薄く、マレーシア航空機が撃墜されたウクライナ、アメリカが関わるパレスティナは報道の価値が高いようだ。

フリージャーナリストとして儲けたいなら、注目を浴びて、報道しやすい国に取材に行くべきだ。
が、大手メディアが報道価値やリスクの高さを考えて報道しない国に行く事こそフリーの役割だと思う。
先日、CSで映像を使ってもらって、生出演したけど、飛行機代にもならなくて。。と僕が言うと。
「久保田さん、ギャラ貰えているだけいいですよ。僕は契約書を書かず、ギャラ貰えなかった事だってあるんだから」と村田さんに言われた。
マジか〜!ディスカウントされた事はあっても、貰えなかった事はさすがにない。

自腹で取材に赴き、危険と隣り合わせで取材してきた結果をどう思っているのやら。
問題はメディアだけではなく、日本社会全体にある、著作権に対する意識の低さだと思う。

写真を使わせて欲しいと連絡があり、予算を聞くと「うちは非営利団体なので、タダで貸して欲しい」と言われた事がある。
「僕も写真は使って頂きたいですし、現地の事は知って欲しいです。が、取材にかかった経費を考えるとタダはちょっと。。」
プロとして、無料で写真は貸せない。
分かりました!予算がないのは仕方ないです、ただ、僕もプロとして仕事で写真を撮っているので、タダは無理です。10円でいいから使用料を下さい。と言って、本当に10円頂いた事がある。
だいたいは、もう一度会議にかけてみます。となり、薄謝で申し訳ありませんが、と5000円とか10000円という結果になる。

これは講演も同じ。
非営利でやっているからノーギャラで来て下さい。交通費も出せません。
なんて団体もある。
今日の明日で体が空いていたら、講演に行くのも構わないが、大体1〜2ヶ月前から日程を押さえられる。
ノーギャラの一日の為に、数万円の撮影を断る事にもなってしまう。

シリアの事など、既存のメディアでの報道が少ない分、講演は是非したい。
全国行脚してでも、直接、現状を伝えたい。
気持ちとしてはボランティアでやりたいけど、莫大な取材費がかかっている。
しかも、次なる取材に行けなくなってしまう。

僕はもともと、金銭面での交渉が得意ではない。
そのため、講演依頼と写真貸し出しの窓口を友人に作ってもらった。
chxbi(ちょび)報道写真事務局

しかし、中には真面目でお付き合いしやすい非営利団体もある。
取材させて頂いたバーターで、写真の使用料を1万円で良いですよ〜と伝えたところ、
さすがに、1万円じゃ申し訳ないので3万円にさせて頂きます。とメールが来た。

フリージャーナリスト、ましてや戦場に赴く人達で大儲けしたいと思っている人など一人もいない。
最低限の収入があり、取材を継続できたら、それだけで嬉しいと思っている。
絶滅危惧種への一途を辿っているフリージャーナリスト。
少し前のブログにも書いたが、取材結果を売る媒体がなくなりつつある今。
生き延びる為には「たにまち」が必要だと思う。
「たにまち」募集中〜!嫁さん募集中〜!

amazon久保田弘信



スポンサーサイト


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://kubotahironobu.blog53.fc2.com/tb.php/1286-29b9c211
    この記事へのトラックバック


    最新記事