もっとも会いたいが、もう会えない人、半村良

2014年02月24日 13:26

会いたくても会えない人。
他界してしまった母美登里、愛猫のチョビ。

一度も会った事はないが是非会いたかった人。
それは半村良氏。

高校2年生の時、たまたま手にとった妖星伝。

全六巻もの大作。
正直、一巻を読み終えるのには時間がかかった、江戸時代から始まり、登場人物も多く、先が見えない感じがしていた。
二巻、3巻で想像を絶する世界が広がり始め、なけなしのお小遣いで買った四巻五巻は高校の授業中でさえ読み止めるとこができず読んでいて先生に怒られた。

六巻を読み終えた時、「この本は半村良が書いた本ではない、神がして半村良に書かせた本だ」と当時の僕は思った。
生きるとはどいう事なのか。どんな生き方が理想なのか、そんな事を物語の中で僕に教えてくれた本だ。
六巻を読み終え、忘れた頃に完結編の七巻が発売された。
中学の時相対性理論の本を読み、物理の世界に進みたいと思っていた僕は七巻に描かれた理論の世界を映像で見せてくれるような文章に引き込まれ、人の最終形態を想像するようになった。

妖星伝を読んで大日如来に会いたくなった僕は自転車で京都へ行き、当時の金堂で半日を過ごした。
大学時代に読み返し、社会人になって読み返し、つい最近また読み返した。
僕の人生にもっとも大きな影響を与えてくれた本だ。

傑作に出会うと同じ作家の本を片っ端から読む。
その後読んだ「岬一郎の抵抗」は対人関係にセンシティブすぎる僕自身にちょぴり勇気をくれた本。

SF作家として初めて第72回の直木賞を受賞している。
が、受賞作の「雨やどり」は半村良氏の得意とするSF作品ではない。

人、神、時間、空間、作家でありながら物理の世界を相当なレヴェルで覗きこんだ半村良氏。
作家として、もっとも会ってみたかった人物だ。


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